須永朝彦小説全集 特装本

1997年に国書刊行会から出版された「須永朝彦小説全集」に、特装本(著者自筆色紙入り)が加わりました。あなたの書架に、この華麗な本を愛蔵されてはいかがでしょうか。

 


【特装本の仕様等】
制作:近藤理恵
総革装(濃紺または青色山羊革) 扉・奥付は活版刷2色 仏製モアレ模様クロス見返し 金箔押し装飾 色違い山羊革タイトル片 縁革手染めマーブル紙貼スリップ・ケース入り (仏製マーブル紙は各部柄違い)
サイズ:縦215×横160ミリ
限定10部 頒価:¥120,000(消費税含む)
問い合わせ&申し込み先:(近藤)

【収録作品(国書刊行会本と同じ)】
「就眠儀式」――吸血鬼小説集(1974年)
「天使」――[オリジナル装幀&発行・渡辺一考](1975年)
「ババリア童話集」――「悪霊の館」(1980年)に収録。
「いすぱにあ・ぽるつがる綺譚」――1971年、85年発表の小品2篇。
「滅紫篇」――[オリジナル装幀・渡辺一考](1976年)
「胡蝶丸変化」――雑誌「幻想文学」第38号(1993年)に発表。単行本未収録。
「聖家族」――雑誌「季刊俳句」第1号から第4号に発表(1973年〜5年)。単行本未収録。
「滴瀝篇」――単行本未収録の小品5篇(1971年〜95年)の集成。

【解題(東雅夫/国書刊行会本より)】
 本書は、歌人、作家、批評文学者、そして近年はアンソロジストとしても、異彩燦然たる著述活動に専心してきた著者の文業のなかから、小説作品のほぼすべてを全一巻に集成したものである。
 20代なかばで最初の著作「鉄幹と晶子」(紀伊国屋書店・1971年刊)を世に問うて以来、すでに四半世紀に及ぶ著者の文筆活動の軌跡をふりかえってみると、短歌と小説の創作を中心とする70年代、評伝・批評に主眼が置かれた80年代、そして「日本古典文学幻想コレクション」や「鏡花コレクション」など、異貌のアンソロジストとしての面目を顕わしつつある90年代…といった具合に、折々の興趣のおもむくがまま、その天稟を発揮してきたという印象を深くする。
 とりわけ70年代の一時期、堰を切ったように生み出された小説作品の数々は、その多くが片々たる掌篇であったにもかかわらず、耽美と幻想の文学を渉猟する新世代の読者に、一種鮮烈な衝撃をもって迎えられたとおぼしい。
  60年代後半に始まる<異端文学復権>のムーヴメントによって、それまで等閑視されていた内外の幻想文学の遺産が次々と<再発見>されてゆくなか、それらに拮抗する内実を備えたリアルタイムな幻想譚の書き手が――「犬狼都市」の澁澤龍彦や「幻想博物館」の中井英夫をわずかな例外として――現代の日本に一向に現れ出ない現状に物足りぬ思いを抱いていたのは、おそらく筆者のみではあるまい。
 そんな折も折、「就眠儀式」一巻を引っさげて突如出現した須永朝彦は、いとも優雅にして軽やかな手つきで、きらびやかな異端の果実を摘み取り、馥郁たる新酒を醸す術を実践してみせたのであった。同書の巻頭に収められた「契」の語り手さながら、著者は初心な弟妹たちを言葉巧みに唆し、<不良星菫派>の道へと誘ったのだとも云い得よう。

【須永朝彦プロフィール】
1946年、栃木県生まれ。歌人・作家。
著書に、「鉄幹と晶子」(評伝)、「東方花傳」(歌集)、「就眠儀式」(吸血鬼譚集)、「天使」(掌篇集)、「滅紫篇」(小説)、「わが春夫像」(作家論)、「硝子の繭」(詩歌論集)、「定本須永朝彦歌集」(歌集)、「血のアラベスク」(吸血鬼読本)、「悪霊の館」(小説集)、「望幻鏡」(散文集)、「ルートヴィヒ2世」(伝記)、「扇さばき」(散文集)、「メディア」(上演台本/非売品)、「玉三郎・舞台の夢」(対談)、「黄昏のウィーン」(史伝)、「世紀末少年誌」(評論と創作)、「泰西少年愛読本」(翻訳)、「歌舞伎ワンダーランド」(歌舞伎譚)「日本幻想文学史」(文学史)等。

【須永朝彦近刊書】
「美少年日本史」(国書刊行会/¥2,400+消費税) ――天草四郎や森蘭丸をはじめとした、日本の歴史を彩る<美少年>像の変遷を、驚異的な博識で語りつくす!

 

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