ピエール・ベール
Pierre BAYLE (1647年−1706年)
著作紹介 Oeuvre
| 「<強いて入らしめよ>というイエス・キリストの言葉に関する哲学的註解」(1686〜7年) Commentaire philosophique sur ces paroles de Jesus-Christ, contrains-les d'entrer ナントの勅令の廃止を頂点としたプロテスタント迫害を弾劾し、「良心の自由」を徹底的に主張して、ベールを「宗教的寛容」の代表的な使徒たらしめた著作。もちろん、迫害への論難自体はプロテスタント陣営から一斉に起こったもので、宗教的強制を一般的に非とする主張もその中で部分的にはなされていたが、この書ほどその主張を原理的に突きつめたものはなく、その意味で、これはまさしく出るべくして出た本であった。ほぼ同じ時期にロックの「寛容についての書簡」(1689年)が出、ベールとロックのこの二作は期せずして「宗教的寛容」論の二大古典とされているが、ロックの寛容論が政治的原理に立脚していたのに対し、ベールのそれはあくまでも倫理的要請として「良心の自由」を主張したものだった。良心の命令に従う義務はなんびとにとっても絶対的であるということが立論の大前提で、したがって、異端者の「迷える良心」も当人に服従の義務を課す権利は正統派の「正しい良心」となんら変わらず、この良心に反する行為は当人にとって最大の罪である以上、社会秩序を乱さぬ範囲でいかなる良心も尊重されねばならず、宗教的信仰は原理的に各人の自由たるべし、というのがその主張の骨子であった。 (以上は、「フランス哲学・思想事典」<弘文堂、1999年>から野沢協氏が執筆したピエール・ベールの項のなかの「<強いて入らしめよ>というイエス・キリストの言葉に関する哲学的註解」の紹介をさらに抜粋して掲載しています。) |
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ピエール・ベールの生涯と著作 La Vie et des Oeuvres de Pierre Bayle