近代知確立の先駆者たち

デカルトから百科全書派まで

Etude sur des precurseurs qui ont prepare le savoir moderne


 科学の急速な進歩や非ヨーロッパ地域への探検報告の出現に対応した新たな世界観の構築。こうした社会的要請を背景にして17〜18世紀にはさまざまなタイプの思想家が登場し、近代的な<知>を準備します。彼らは単に気質・宗派・国籍・世界観等を異にするというだけではなく、おうおうにして理論の基礎とする学問的背景も異なっており、それぞれの観点から「学」の組み替えが大規模に行われていきます。
 哲学に限定すれば、そうした動きはデカルトによって先鞭をつけられ、いわゆる合理主義と経験論の間で激しい論争が行われます。
 「神」に代わって世界を動かす原理として「自然」が登場し、自然状態、自然法が重要な論題になっていくのもこの時代の特徴といえるでしょう。
 生命の科学の進歩は、人間と動物の違い、人間を動かす原理の探求にひとびとを向かわせます。18世紀には、形而上学と生命の理論の結合のなかから、極端な機械論(唯物論)も登場してきます。
 またこの時期、フランスでは国王の専制化が進みますが、その矛盾はさまざまな社会批判を呼び起こし、ユートピア文学が興隆すると同時に、国家(社会)を支える原理についてさまざまな理論が構築されていきます。しかしその政治理論も、社会を身体(corps politique)として論じていくところにこの時代の特徴があらわれているといえそうです。
 この時代を簡単に概観してみたとき、17世紀は新たな世界観、新たな学の枠組みを「体系」として提示し、18世紀はその体系を解体していく過程ととらえることも可能でしょう。体系解体を象徴するものは、世界をアルファベットの順番に従って記述する「百科全書」の登場でした。「百科全書」に結集した知識人の思想は、一般的には「啓蒙思想」としてひとまとめにくくられています。 しかし一方で啓蒙の必要を主張しながら、彼らが社会の現状に危機感を抱き、上からの啓蒙にとどまらず、さまざまな社会改革の必要性を考えていたのも事実です。現代の視点から彼ら一人ひとりの思想の有効性を問うこともさりながら、結論のみえない闇のなかで、彼らがどれだけ深く時代を憂えていたかを知ることも大切ではないでしょうか。
 こうした観点から、このコーナーでは、人物誌を中心に17世紀から18世紀のヨーロッパ思想界を概観し、「理性の時代」の実像に迫ってみたいと思います。
 またこのコーナーの特論として、18世紀フランスの政治思想家ガブリエル・ボノ・ド・マブリのページも設けてありますので、こちらもぜひアクセスしてみてください。

 

近代知確立への歩み(17〜18世紀簡易年表)
Chronologie commode de savoir


17世紀人たち
Des personnages de 17e siecle


18世紀人たち
Des personnage de 18e siecle


特論:ガブリエル・ボノ・ド・マブリの研究
Specialite : Etude sur Gabriel Bonnot de Mably


古代人たち(近代知確立のためのモデルとして)
Des anciens comme modeles


17〜18世紀をさらによく知るために(参考文献案内)
Pour bien connaitre le 17e et 18e siecles (Bibliographie) 



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